夕とエツミが居住タワーに戻ろうとして、パノラマの円形通路を歩いていると、エツミの横の壁面ディスプレイに「緊急連絡」の文字が点滅し、ピピッ、ピピッ、という音が鳴り響いた。

「あら、緊急連絡だわ。なにかしら」

 エツミが、ディスプレイ上の文字にタッチすると、そこにミカサ長官の顔が表れた。

「クルーは全員、至急コントロールセンターに集合のこと」

 同じアナウンスを2度繰り返すと、画面は再び「緊急連絡」の文字に変わった。

エツミと夕はカフェテリアから円形通路を渡り、コントロールタワーに入った。その時、一人の青年がエツミに声をかけた。

「エツミさん」

「あら、シンジさん。いつ来られたの?」

「2時間ほど前に。エツミさん、そちらの方は?」

「こちらは夕さんっていうの。夕さん、この方はケンタウルス星雲基地のキャプテンのシンジさん」

「夕です。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしく」

「シンジさん、なにか緊急連絡があるんですって?」

「そうなんだ。長官から話しがあると思うが、地球がたいへんらしい」

「えっ、地球で?なにかあったんですか?」

夕が心配そうに聞いた。