「夕さん。夕さん」

ベッドのそばでエツミの声がする。夕が目を開けるとすぐ横でエツミが心配そうに夕の顔を覗いている。

「うーん。ふう、あっ、ごめんなさい。あたし寝ちゃった」

「いいのよ。死んだように眠っているからちょっと心配になって。でも、だいじょうぶそうね。そろそろディナータイムだから。お腹すいたかなって思って」

「ええ、すいません。はー、ペコペコです」
「じゃあ行きましょう」
「はい」

 二人は部屋を出ると居住タワーとプランテイションタワーとを結ぶ連絡用円筒形通路に入った。周りはすべて透明窓になっている。

窓の外には巨大なアンドロメダ星雲が宇宙空間に広がり無数の輝きを放っていた。夕が見とれながら歩いているとエツミが言った。

「ここはアンドロメダ大星雲の入り口なの。このステイションで生産されたものがほかの星雲基地に配送されるの」

「ここのほかにも星雲基地があるんですか?」
「ええ、規模はずっと小さいけれど、あのアンドロメダ大星雲の中に132基地あるわ」
「えーっ、そんなに!」