夕は再び不安な気持ちでいっぱいになった。

「でも、心配しないでね。ここにいる人達はみんないい人達だし。それに、私もいろいろ相談にのるから」
「はい、ありがとうございます」

「それじゃあ、私、ちょっとプランテーションタワーに行ってくるから、ゆっくりしていてね」
「すいません。エツミさん」

夕は一人になると、青色のボタンを押した。天井の薄いグレーがしだいに消えてゆき、天井は再び満天の星空になった。夕は、ベッドに横になると一人つぶやいた。

「あたし、これからいったい、どうしたらいいのかしら」

緊張感が体からスーっと抜けていくような気がした。その時、夕のそばで、チリン、チリンと鈴の音がした。

「あっ、ナオ、ナオっちね?ナオっち、どこにいるの?」
「にゃーん」

「ナオっち、一体どこに居たの?ここにきていっしょに寝ようよ。はー、もーだめ!」
「にゃーん」

ナオっちが夕の腕の中に入ると、夕はそのまま夢の世界へと入っていった。