「じゃあ、しょうがないから行こうか」
島野は体を離そうとする。
「…えっ」
私は自分の気持ちを隠せないようで、思わず本音を声に出してしまった。
すると、島野はそれを察したのか
「なに?嫌なの?」
口角を上げてそういった。
「…わかってるくせに…」
「なんのこと?」
わざとらしすぎだって…。
「…もう少し、抱きしめて……ほし、い…」
なんとか絞り出して出た声。
こんなの私らしくないのに…!
「それじゃあしょうがないね?」
島野は嬉しそうに笑って私を優しく抱きしめた。
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