ガラガラッ 教室のドアを開けると、一気にもわんとした蒸し暑い空気に包まれた。 「あっ!結愛!あっついよねぇ…」 「ほんとほんと。冷房ほしいなぁ~」 「だね」 そんな会話を純香としながら、私は席に着いた。 チラッと島野のほうを見るけど、こんな暑さは関係ないといわんばかりに、静かに本を読んでいる。 やっぱり…好きなんだよなぁ…。 ガラガラッ 私とは少し遅れて、教室には植野さんが入ってきた。 ……? なんだか、みんなの注目が植野さんに集まっているような気がするんだけど…。