「う、うん…」
「島野くんってすっごい優しいよね!浴衣可愛いって褒められちゃった!」
「よ、よかったねっ…」
うまく愛想笑いができない。
「もっと島野くんのこと好きになっちゃったよ~っ」
植野さんは頬を赤らめてそう言った。
やめてよ。…そんな島野、私は知らないんだから。
「でもやっぱり、島野くんは花風さんのことが好きなのかなぁ…?」
わかってるくせに。
本当が自分が好かれてること。
…あぁ、だめだ。
どうしたって嫌な自分が出てきちゃうよ。
「っしっ、島野は…
植野さんのことが好きだと思うよ…」
「あっ!ちょっと」
気が付いたら、私は走ってた。
だって植野さんと一緒にいたら、私がおかしくなっちゃいそうだもん。

