「じゃあ、花風さんは、誰かのことを想ってる僕と、付き合いたいってこと?」 「-っ」 「それじゃあ、花風さんは一方通行だし、僕だって得なんかしないでしょ」 うつむいていた顔を上げる。 島野の目は、冷淡で、私のことなんかなんとも思ってないんだって、わかる。 ”誰かのことを想ってる”……か。 それって、植野さんのことじゃん。 そんなはっきり言わないでよね。バカ。 ぎゅっと拳を握りしめる。 …もう、泣いてしまわないように。 「…なーんてね」