もやもやしたような感覚が続き、季節は夏に入る準備をしていた。


事件は、いきなり起きた。


今年は夏休みの最初に入ってからも雨が降ったり止んだり。
半分屋外、半分屋内部の弓道部にとっては辛いところだった。


「礼」


神棚に拝礼をし、自主練へと移ろうとしていたときだった。


「里穂ちゃんっ?」
「里穂っっ!!」
「里穂ちゃん......っ」


「はあっ、はあっ、はあっ」


里穂......?!


里穂が過呼吸を起こし出した。


「みんな騒がないで!
まゆちゃん、里穂の楽な姿勢にしてあげて!
ゆりちゃん、先生呼んで!
ななかは飲み物もってきて!」


ざわざわざわ........


「なにしてるの!!
早く!!」


里穂、過呼吸になるなんて、何があったのっ.....?