『ごめん美姫!』
海斗が駆け寄ってきた…
私のたかを抱き…
顔を覗き混んできた…
『どうした!?美姫…何かあった!?』
『…』
『どうしたんだよ…』
って優しく…
私は心配させないように…
『うんう…大丈夫!少し人混みで疲れちゃった!!』
って笑った…
『そっか!!じゃぁ美姫の好きなクレープでも、買って食べよう!!』
って笑った…
その笑顔……に泣きそうになった…
だっていつも私に優しい笑顔を向けてくれて…支えてくれる…
そんな彼に…
申し訳なくて…
私の心がりゅうのことでいっぱいだから
そばにずっといて、笑って支えてくれた海斗よりも
10年前に突然連絡ができなくなったりゅうで…
胸がいっぱいで…
動揺が隠しきれない…
好きなのは海斗だよ…
だけど…
だけど…
愛しているのは…
りゅうで…
胸が苦しくて…
胸元を押さえた…
そんな私に
『美姫…大丈夫?具合悪い?』
って
『うんぅ、大丈夫!』
私は海斗の10年を無駄にしてしまうなんてできない…
だってもしも
私が海斗と付き合わなければ、彼は今頃誰かと結婚したり出来たかもしれないのに…
私の心が弱いから…
海斗を自由にしなかったから…
海斗の10年…私が使ったんだ…
私は海斗のそばにいないといけない…
10年って不思議だった…
好きとか嫌いとか…そんな事より
情のが強くて…
彼を傷つけたくないって思ってしまう…