帰り道

手を繋ぎ

笑い合って…

キスをして

抱き合って

今日しかできない…

美姫にたくさん触れたくて…

美姫の感触を忘れたくなくて

沢山のはぐにキスをした


俺は、どうしても家まで送るって言い張った…

美姫は悪いからいいって何度も言ったけど

『暗いから俺心配だから』
ていった
本当は今日しか送ることができないから…今日しか一緒にいられないから…
少しでも長く美姫といたかったから

美姫は
『ありがとう』
って最後に折れた…

家までの道も最後だと思うとやけに
泣きそうになるのをこらえた

いろんな話をして笑った

美姫の声も
話し方も
その時のしぐさも

全部全部胸に目に
脳裏に刻み込みたくて

何度も何度も美姫を見つめた…

家の前にきて
『美姫の家ここ?』

頷く美姫に

見上げた美姫の家…

大きな日本家屋…

立派な作りだと思った

『かっこいい家だな』

俺の発言に
『なにそれ(笑)』
って笑う美姫はやっぱりかわいくて

俺は、泣きそうなのをこらえて微笑んだ

俺の胸に美姫が額をくっつけて…

『今度はうちにも来てね』
って言う

今度なんて言わないでくれ…苦しくて切なくて…どうにかなりそうだ…

言葉の代わりに

美姫を抱き寄せて強く抱き締めた

『じゃぁ…帰るよ』
って

かるく唇にキスを落として去った…
だって泣きそうなのをもう我慢できそうになかったから…



美姫なら俺が見えなくなるまで手をふりそうだからあえて一度でも、振り向くことなく…帰った…

だって振り向いて美姫がそこにいたら俺の決意が揺らぐ気がしたから…


その帰り道俺は家に帰るまで、人目も気にせず泣いた…


美姫に背を向けた瞬間から、堪えていた涙は一気に流れ出た…


胸が苦しくて…

こんなに好きで愛してるのに…

一緒にいることができない…


情けない俺…美姫を傷付けてしまうことに違いないとも思う

でも、誰かにめちゃくちゃにされるぐらないなら…


この方がまだましだ…




美姫…いつかまた会いたい…