伊織と明日美が待機室に戻った。
待機室の中の空気を察したみたいで、静かにあたしと青斗と広也の側に来た。
明日美が、あたしの肩をトン、と叩き、ガッツポーズをしてみせた。
伊織も、笑って手を振ってくれていた。
…テストは、大丈夫そう。
それに、部屋の中には死体も…
なさそうだね。
だけど、一番気になるのは青斗。
女子の中で、青斗が一番打ち解けている伊織が手を振っているのに、返さない。
いや、見向きもしてない。
…青斗、どうしたの、本当に……
青斗の心情が読み取れなくて、困る。
表情からは、迷い、しか伺えない。
でも、テストは受けなければならないから…。
あたしと青斗は何も喋らないまま、部屋に入った。
気まずい沈黙も、もうどうでも良い。
ただ、あたしはテストを解くだけ。
あたしの集中は
もう、テストにしかなかった。
…満点、取らなければ。
あたしが皆の為にできる事は
満点を取って、勝つことだけだから。

