あたしは3コールで電話に出た。


「もしもし広也?」

「あぁ、道香?ったく、国際電話料金たけーんだぜ?」

広也が不機嫌そうに言う。

「ごめんなさい、通話代として1000円払うから!ね?」

「…そこまで言うならまぁ…、っと、見つかったぞ、水川穂乃!」


……早すぎる気もするけど…

「本当に!?」

あたしは、嬉しさで胸がはち切れそうだった。

「あぁ、だから親族とか出身とか探ってみる。」

「うん、頑張って!青斗にも、よろしく!」

そう言って、あたしは電話をきった。

あたしは、急いで役所を出る。

朝なので、やや薄暗かった空も8時になったということで少し明るくなっていた。