その一人は、三島明日美。
死ぬ事の恐怖から、怯え、泣いている。

実際、泣いている人は結構いて、このリアクションが、恐らく“正常”なのだろうと思う。

泣けないあたしは、何処か狂っているのかもしれない。

「では、今度こそゲームを開始します。
50室部屋は用意されています。五十音がドアに書かれていますので、どこで対戦するかは、リーダーの案内役にお聞き下さい。」

始め！と、号令がかかると、すぐにあたしはペンダントから、アーテを呼び出す。

「案内人、アーテです。皆様、宜しくお願いします。」

他のグループを見渡すと、女性の姿の案内人もいるが、服装は大体同じだ。

「私達が対戦する部屋は、“の”部屋です。対戦相手は、白グループ…宮野紗陽様がいらっしゃる所です。」

「いきなり、強敵か…」と、言っている広也だが、そのグループの宮野紗陽が、強敵というわけで、グループメンバー自体、強力な人材はいないのかもしれない。