あれから、5年の月日が流れた。
あたしはもう、今年で21歳になる。


首取りゲームがあってから…、もう、こんなに経つんだ。


何故か、あたしは首取りゲームの事を繊細に覚えていた。


…忘れたくない、っていうあたしの思いが強かったのかも。




きっと、明日美も伊織も、どこかにいるであろうアーテも…。

もう、首取りゲームの事は、さっぱり忘れているだろうな。



…誰も、覚えていない。



その方が、良いかもしれない。
あんな苦しみだけ追い求めたようなゲームは、

もう、思い出したくないと思うから。




…でも、あたしは違う。
首取りゲームを思い出しては、
しっかり生きようと。
全力で前に進んで行こうと。

そう、決意を固めている。





…ただ、1つだけ。

あたしに、変えられない感情があった。




‘‘広也への、気持ち”…____


あたしは、もう、広也以外考えられなかった。


5年間の間、ずっと広也を想い続けた。


これからどうなるかは分からない。




だけど、あたしは…、
あたしを生かしてくれた広也の事を、絶対に忘れないだろう。