「道香。本当に、よくやってくれたわ。…ありがとう。」


「ううん。…あたしじゃないよ、やったのは。…皆、だよ。」



すると、お母さんは優しい顔で笑って、
「そうね。」と呟いた。



もう、この空間は崩壊寸前。
…じゃあ、そろそろ終わらせよう。



「お母さん。…また、向こうで会おうね。首取りのことも…忘れて…、やり直そう。」


本当は、忘れたくない。
でも、しかたないよね。

…心に、刻んだ記憶。
あたしは、絶対忘れないよ。



「えぇ。…じゃあ、またね。」



そして、ガラガラと音を立てて崩れていく空間。


ふと、アーテを見ると、あたしに手を振っていた。…笑顔で。


「バイバイっ!ありがと、アーテっ!」




…あたしのこと、皆のこと…

忘れないでね。




あたしも、笑顔で


アーテに、お母さんに。





そして、このゲームに、





別れを告げた。