あたしが犠牲になりさえすれば、全てが終わる。

…いや、犠牲とか、嫌々やってるんじゃない。
皆を生かす事ができるなら…、
寧ろ、‘‘やりたい”。


…あたしには、命を投げ打ってまで守りたいと思えるような友達がいる。

それだけでも、あたしの人生の誇り。


「…なんだよ…、それっ…!!」



…広也。
手を固く握って、震えている広也。
顔は真っ赤になっていて、今にも泣き出しそうだった。


「…なんでだよ…!さっき、一緒に終わらせて、遊ぼうって言ったじゃねーか!なんで…!お前が犠牲になるんだよ!」


力強く言ってくれた広也。
少しでも…あたしがいなくなること、悲しんでくれてるのかな?
それとも…

広也は優しいし、罪悪感から…って事もあるよね。


…なんでだろ。
死ぬっていうのに、心はこんなに落ち着いてるよ。


「仕方ないじゃん。それに。…あたしがいなくなりさえすれば、全部!終わるんだから…。」