「そんなの聞いてない!何で!?道香っ、何で私に相談してくれなかったの!?…ねぇっ!」


「…明日美。だって、あたしね。…皆に、生きて欲しいの。……本当はあたし…、友達が全然いなかった。でもね…。」


あたしの次の言葉を待っている皆。
何か言いたそうに、でも、あたしの言葉を静かに聞いてくれている。



「皆の事…。仲間だって…、友達だって、思ってる。大切で、大事な‘‘友達”だから。…守りたい。生きて欲しい。」



伊織は、あたしの目をじっと見ていた。
明日美が泣いている事も、知らないような雰囲気で。

「…道香。…私に言ったよね?青斗の為にも、生きようって。道香は…違うの?青斗の為にも…、死んでいった人の為にも…生きないの?」


「でも!…あたしが、やらなきゃ。誰かが、犠牲にならないと…。皆が志してくれた、このゲームを終わらせる事なんてできないでしょ?」

明日美は、顔を俯かせた。
伊織は、まだ何かを言おうと…
たじろいでいる姿が見えた。


「でも…!何で、何も言ってくれなかったの?忘れちゃってたなんて…、嘘でしょ?」


「…それは、謝るよ。でもね…あたしは!ゲームを終わらせて!皆に幸せに…笑ってもらいたいの!」



伊織は何も言わなくなった。

…これでいいんだ。


きっと。