さて…。
今から、あたし達はとても重要な事をしなければならない。

‘‘呪い”
それを、解くこと。


「優勝グループは…、緑グループの不戦勝となりました。おめでとうございます。賞金一人1億。1ケースに5000万入っています。2ケース、お受け取り下さい。」

あたし達の目の前に、銀色のケースが8個置かれた。

…賞金?
あたし、もう、そんなの。


「いらない。…賞金より大事な物…。知ったから。死んでいった人達も報われないから。あたしは、受け取らない。」


ハッキリと、あたしは断った。
そして、ケースを投げ捨てる。

「こんなので…!あたし…、怒りを消す事なんて、できないから。」


…青斗や、色んな人の死。

あたしは、‘‘賞金”なんかで片付けちゃ、駄目だと…、その人達に、悪いと思うから。


「…俺もいらねーよ。こんなの。」


広也は、ケースを二つ、投げ捨てた。


「私も、いらない。…こんな物貰ったって、嬉しくもなんともない。」


「いらないよ。こんなの。」


伊織と明日美も、ケースを投捨てる。

そこにあった8個のケースは、蓋が空き、あたし達には1万円札の雨が降ってきた。


「……さぁ。呪いを解く準備は…。もう出来てる。」



あたしは、息を大きく吸った。


「穂乃さん。…お母さん。……出て来て。」