「すみません。ちょっと…、気分が悪くて……。ベッド、使わせて貰っていいですか?」
「あら、高野さん。大丈夫?寝てていいわよ。」
「ありがとうございます。」
あと、1分。
ベッドに潜り、目を閉じる。
少し時間が経って…目を開けると。
あの、白い異空間が目の前に広がった。
「…ね、アーテ。…今日はね、あたし、絶対勝つつもりで来てるの。」
アーテは、目を少し伏せて頷いた。
「だから…、優勝したら…。
アーテ。分かるよね?」
「……穂乃に、会って、ちゃんと話します…。」
良かった。
その返事を聞いて安心したよ。
明日、アーテに会う事はないのか…。
そう思うと、ちょっとしんみりするかな。
「幼稚園の時は、首取りゲームなんて所で、再会するなんて、思ってなかったなぁ。…ていうか、園児に首取りゲームとか、思いつく訳ないよね。」
「…はい。その頃は、穂乃も私も、幸せに暮らしてましたし…。」
ポツポツと、軽い会話を交わした。
「着きました。」、と聞いて、あたしは立ち上がる。
扉が出て来て、アーテをペンダントに入れて。
「…今日で開くのは最後か…。」
大きく扉を開いた。