「ねぇ、優香。今度遊ばないー?」

「いいよっ。いつにしよっか!」



今(16歳)から、二年前。

中学二年生だったあたし。

今でこそ、いないけど…



その頃は、親友と呼べる友達がいた。


立川 優香。



部活は同じ吹奏楽部に入り、常に行動を共にしていた。


小学校からの付き合いで、学力にもあまり差はなく、一緒の高校に行く事も約束していた。


…あたしは、優香が大好きだった。


優香以外の友達もいたけど、何より優香を優先させた。


思えばその頃は、成績も悪かったっけ。


いつものように、笑いあいながら部活に行った。

初めてできた後輩と、優香と、一緒にフルートを吹くのが楽しかった。

もう先輩は引退していて、フルートパートはあたし、優香、後輩が一人。


後輩は凄く明るくて、「道香先輩!」と、可愛らしい笑顔を見せて話しかけてくれる。


殆ど優香中心だけど、幸せな学校生活。

そんな生活に、亀裂が入りはじめた。