“「お前のせいだ…」”…___?


あたしのせい、ってどういう事?


アーテは、先程と一変した、怒り狂った表情を此方に向けた。

「お前のせいで!!穂乃がもっと傷付いてるのが分からないのか!?これ以上、穂乃を傷付けないでくれよ!」

…穂乃が、
水川穂乃が、傷付いてる…__?


「あたしのせい?…意味分からない…」

「お前がとやかく言うから、穂乃は泣いたんだろうが!死んでからどれだけ泣いたと思ってる?お前は知らないだろ!その姿を見るだけで辛いんだよ!」

…は……、
何よ、それ…___

「は?なに言ってるの姿見てるのが辛いって、じゃあ慰めてやりなさいよ!水川穂乃の前に出るのが怖いわけ?じゃああたしの事言える立場じゃないでしょ?」

「…っ。そんな事…分かってますよ…。穂乃の悲しむ姿は見たくない…、でも、前に出るのは怖い。そんな臆病者なんです、私は…」



涙声で言うアーテ。

こんなに弱々しいアーテを…男の人を、見た事がなかった。


こんなに、貧弱そうになるものなのか。

…ただの恋人でなく、婚約者。



その違いは、紙一重のようで実はとても分厚い物。


恋…、

あたしには、少ししか分からないけど…



きっと、広也に対する気持ち…。