お見合い 宏太朗 Ver

緑が囲う庭に出れば、彼女の雰囲気が少し弾けたように見えた。
「すごいすごい」

花が好きなのか、綺麗な庭が好きなのか。
はたまた両者か。


「・・・あの、さっきのこと言わないで下さい。その、出来れば内緒に・・・」

もう気付いてるんじゃないか?
あの二人のことだから。

「・・・うん。言わない」
「有難うございます」

でもまぁ。
ちょっとは優位に浸れたりするのも事実で、こんな可愛いお願いなら大歓迎だと思えた。

二人の溺愛ぶりを告げればほのかに顔を火照らせた彼女に、一瞬だけ理性がとんだ。


「警戒心強いの知ってる。人とのコミュニケーションが苦手なのも聞いてる。―――だから、お友達から、どう?」

だからだと思う。
気づけばそんな事を口にしていた。

「大丈夫」

温かい日差しと濃い緑の中で、頬を赤らめる彼女の様は、まさに大輪の華のよう。
あきらか困惑したような、それでいてどこかふわりと笑っているような表情でこちらを窺っている。

決めかねているんだろう。