・・・結局、仕事をこなしていくうちに、

社員達は次々に帰り、終いには、誰一人いないオフィスで、

残業する羽目に。


仕事を押し付けた隆盛は、接待があると、会社を出たし。

・・・泣きたい気分だ。

…何でもかんでも私一人に押し付けて、私は機械じゃないっての!


「・・・仕事はもう、終わるころか?」

ビクッ!!!

誰もいないと思っていたオフィスに、低い声が聞こえ、

体がビクッとなった。


振り返り、思わずため息をつく。

・・・お化けじゃなかった。


「・・・宮本部長、いつからそこに?」

宮本部長は自分のデスクに座って、こちらを見ていた。


「・・・ずっといたが?」

「・・・・」

ウソ?!マジで?!…気配を消せるのか、この人は?

全然気づかなかった。

と言うより、そのデスクに、目線を向ける事がなかった。

と言う方が正しい。