「メガネをかけてる時は、近寄りがたい存在だった。

何もかもが、ベールに包まれてるような存在感で、

どちらかと言えば、高嶺の花のような感じだった」


「・・・」

宮本部長の言葉は、ただただ驚きで、

まさか、周りにそんな印象を与えていたのかなんて、

自分じゃ全然わからなかった。


「だから、誰に捕られる心配もしてなかったのに、

急にメガネを外した途端、ベールも一緒に外したみたいな・・・

男どものお前に対する態度が、一変した。

だから、オレも行動に出たんだ・・・お前が必要だったから」



・・・何でだろう。

今まで何一つ、受け入れられなかった言葉だったのに、

今言ってる言葉は、受け入れられる。

宮本部長の言葉が、信じられる。


「部長」


「今日子が手に入るなら、なんだってする・・・

今日子がオレを愛してくれるなら、他に何もいらない」



・・・その言葉を聞いた直後、

私は宮本部長に抱きしめられていた。


…自分の、格好も忘れてしまう程、

そのぬくもりに、酔いしれていた。