「宮本部長、こんな時間からどこの会社に行くんですか?」

「・・・」

私の質問には一切答えない宮本部長。


「仕事なんですよね?どこの会社かくらい、

教えてくれたっていいじゃないですか?・・・いった・・」


…急に足を止めた宮本部長。

私はそんな宮本部長にぶつかる。

怪訝な顔で宮本部長を見上げると、


「ここに行く」

「・・・・へ?」

…着いたところは、近所の眼科。

・・・こんな所の営業とか、ありえないでしょ?

疑問だらけの私に、相変わらず何の答えも言わず、

宮本部長は私を中へ連れ込んだ。


「…保険証は?」

「・・・ここにありますけど?」

「貸せ」

「なんで?」

「いいから!」

「・・・」

渋々保険証を手渡すと、迷うことなく受付に出された。