…瀬名なんて、呼べない。

恥ずかしすぎて。


「そ、そんな事より、早く帰りましょう、部長。

隆盛だって、明日の準備もあるでしょうし」


私は必死に話しを逸らす。


「・・・ふ~ん、その事から気を逸らすつもりなのか」

そう言って不敵に微笑んだ、部長。


私は、逃げるように、踵を返すと、玄関に向かって歩き出した。


「色々ありがとう、また明日ね、隆盛」

「あぁ、また明日・・・宮本先輩」


「・・・なんだ?」

「今日子の護衛なんてもう嫌なんで、さっさと仕事を済ませて

帰ってきてくださいよ・・・そうじゃないと」


そこまで言って、隆盛は言うのを止めた。

部長は溜息をついて、隆盛に言った。


「出来る限り早く帰るよ・・・

それまで、やっぱり護衛は、荻田以外に頼む奴はいないな。


…信用!してるぞ」

そう言って肩を叩いた部長は、私の後を追う。