無口な上司の甘い罠

恥ずかしそうな顔をすると、隆盛はフッと笑った。


「…良かったな、今日子」

「…うん、色々、ゴメンね」


「・・・ったく、また謝りやがった」

「…ぁ」


「謝るくらいなら、俺の彼女になればいいのに」

「・・・荻田、お前」


隆盛の言葉に一番に反応したのは、部長で・・・。


「はいはい、そんな顔しなくても、奪いやしませんよ。

サッサと、大事な人を送り届けてあげてくださいね、部長」


「…分かってる。

…ところで、何時までお前らは、俺の事を部長って呼ぶつもりだ?」



「・・・・・」


…そう言えば、部長はもう、私たちの上司ではないんだよね。

北海道に、移動になってるんだから。


「…じゃあ、オレは、宮本先輩でいいんですかね?」

「そうだな、お前はそれでいい…今日子は?」

…二人に見つめられ、目を泳がせる。