「ま、仕事だったんだし、しょうがないんじゃない?

隆盛に頼まれた仕事は終わらせて、デスクの上に置いてあるから」

そう言って、隆盛に背を向け、手を振った。


「…ワッ!」

…左手に持っていたカバンを、隆盛に引っ張られ、

私はバランスを崩す。

そんな私の体を、隆盛が抱きとめた。


…このありえない体勢に、顔は赤くなり、心臓が飛び跳ねる。

・・・男にこんな事をされるのは、何年ぶりの事だろうか?


「今日子って、何でそう、女らしくないんだよ?」

「…すみませんね、こんな性格なの。

何なら、男だと思ってくれても構わないわよ」


…顔を隠すように、振り返る事はしなかった。


「男か…悪くないか」

「・・・」

・・・コイツ、私の言葉を本気にしたな。


「でも、残念だな。お前はどこからどう見ても、

女にしか見えない」