「あ、坂口さんだ。もう30でしょ?
結婚もしないでさ、仕事ばっかり…いわゆる負け組ってヤツ?」
そう言ってクスクス笑い合っているのは、
まだ入社して1.2年ほどの若い女子社員達。
…陰でこんな事を言われるのは、日常茶飯事だった。
でも、私は気にしない。…全くではないけれど、
いちいち気にしていたら、仕事なんてやってらんない。
「おい、坂口、これ頼むわ」
そう言って書類の束を差し出したのは、同期の荻田隆盛(おぎたりゅうせい)
「エ、また?これ、荻田の仕事でしょ。自分でやりなさいよ」
そう言って隆盛に書類を突き返す。
「そう言わないで頼むわ。こっちの案件が溜まり過ぎて手におえないんだよ」
そう言ってパソコンを見せられる。
…これは確かに大変だ。
隆盛は、人一倍仕事ができる。それにかこつけて、
周りからどんどん仕事を頼まれ、断れず、やり始めるが、
こうやってパンク寸前になると、私に助けを求めるのだ。
「…仕方ないな、やってあげるけどさ」
そう言って溜息をつきながら、書類をパッと奪い取る。
「助かる」
そう言って手を合わせた隆盛。
結婚もしないでさ、仕事ばっかり…いわゆる負け組ってヤツ?」
そう言ってクスクス笑い合っているのは、
まだ入社して1.2年ほどの若い女子社員達。
…陰でこんな事を言われるのは、日常茶飯事だった。
でも、私は気にしない。…全くではないけれど、
いちいち気にしていたら、仕事なんてやってらんない。
「おい、坂口、これ頼むわ」
そう言って書類の束を差し出したのは、同期の荻田隆盛(おぎたりゅうせい)
「エ、また?これ、荻田の仕事でしょ。自分でやりなさいよ」
そう言って隆盛に書類を突き返す。
「そう言わないで頼むわ。こっちの案件が溜まり過ぎて手におえないんだよ」
そう言ってパソコンを見せられる。
…これは確かに大変だ。
隆盛は、人一倍仕事ができる。それにかこつけて、
周りからどんどん仕事を頼まれ、断れず、やり始めるが、
こうやってパンク寸前になると、私に助けを求めるのだ。
「…仕方ないな、やってあげるけどさ」
そう言って溜息をつきながら、書類をパッと奪い取る。
「助かる」
そう言って手を合わせた隆盛。