包帯を巻かれて、ネットも被せられて、手当て終了。

棚にガーゼをしまうひよりの後ろ姿を見つめ、自分の手首も見つめた。

よく考えてみれば、クラスメートにリスカしてるところ見られたわけだ。

ひよりが学校で俺がリスカしてるとか言いふらしたら、俺の学校生活が終わりを告げる。てか、もう終わり告げてるけど今度は学校から追放される。

なんて頭の中でグルグルと考えていると、ひよりの動きがピタリと止まった。

今までせっせと動いていたので、突然止まって少し驚く。

何か言い出すのだろうかと待っていると、ひよりがこっちを振り向いた。

『久我くん…さっきやっぱり手首切ってた…よね?』

俺の心臓がドクン…と波打った。

やはりそーゆーことを平気で言うような奴だった。

俺は少し考えてから、ゆっくり頷いた。

『あ…うん』

もういいや、俺の学校生活よ。

さようなら。

すると、ひよりがスタスタとこちらに歩いてくる。

そして、ひよりが俺の前に立つと、腕を掴んできた。

切った方の腕だったから、俺は思わず叫びそうになる。

『ねぇ、久我くん…私の話…聞いてくれる?』

『へっ…』