out of memory

「つ、付き合ってねーよ。余計なこと言うなよ」

俺は理一さんを睨むように見る。

ひよりはコクリとうなずいた。

すると、空気を読むことができない理一さんは更に続ける。

「なんだー。こんなとこで二人っきりだったからイチャイチャしてるのかと思った」

「してない…です……」

ひよりは真っ赤になりながら言う。

俺は今すぐにでもここから逃げ出したかった。

「ごめん、秋人。帰る、ね!」

ひよりはそこからダッシュで走り出した。

「あ、ひより!」

俺は追いかけようと思ったが、追いかけてどうすればいいのかわからなくて、追いかけるのをやめた。

ひよりは陸上部だけあって足が速い。スプリンターだし。

あっという間に公園内から姿を消してしまった。

「難しそうな子を見つけたもんだな、秋人」

理一さんはポケットに手を突っ込みながら言う。

「別に難しいとかそんなんじゃ……」

今ので嫌われたかな…。

俺は心の中でものすごく心配になっていたが、それよりも告白されたことによる驚きがあった。

ひよりが…俺のことが好きだなんて………。

「秋人?顔真っ赤だぞ」

「へ?!あ、いや、なんでもない!」

俺は慌てながらごまかす。

「ほー。ま、とりあえず俺は家帰って準備しないとな。パリ土産買ってくるよ」

「う、ん…。いってらっしゃい」

俺は真っ赤になっている自分の頬を隠すように、フードを深く被った。