次の日は中間テストの返しがあった。

俺は相変わらず平均点ギリギリを保っている。

今回もほとんどが平均点の3点上をいっていた。

だが俺が赤点回避できても、赤点をとったことによって俺に迷惑をかける存在が一人。

「秋人ぉ…」

大体皆予想がつくであろう。そう、ひよりだ。

「また赤点か……。お前進級できねーんじゃねーか?」

休み時間になるとテスト用紙をもって涙目になりながら俺の机まで来る。

俺は頬杖をついて苦笑いしながらひよりを眺める。

「お願いしますです秋人様ぁ!」

ひよりがガバッと頭をさげて、俺はひよりの願いを叶える他ない。

テスト返却時の恒例行事だと思えばどうってことないからな。

(そう思うようにしている)

俺はハー…とため息をつくと、ひよりの頬をグニッと引っ張る。

「お礼はサイゼ奢れよ?」

「オッケーなのだ!」

そう言ってひまわりのようにニッコリ笑うひよりの顔が、俺は大好きだった。

1ヶ月で見れなくなるのだったら、今から楽しんでもいいかもしれない。

……そうだ。あと1ヶ月なんだよな。

あと1ヶ月なのに、また今日で1日減るんだよな。

俺はちょっと寂しくなって、フッと浅く笑った。