明るくてベタベタしてくる奴だった。

俺のこと好きなんじゃないかとか思ったこともある。

実際俺もひよりのことが好きだったのかな?

なんて、今はそんなことクヨクヨ考えても、ひよりはいないんだけどな…。

「久我ー!吉田家寄って帰ろうぜ!」

放課後、俺に駆けよってきたのは中谷。

「おう」

奢ってくれるという約束だから、喜んで一緒に帰ろうじゃないか。

ポケットに手を突っ込んで下を向きながら歩く俺と、その俺に今日あったことを楽しそうに話す中谷。

2つの影が、俺と中谷が揺れるたびに共に揺れる。

見慣れた光景だったし、いつもならキレイだとか思うのに、今日はキレイだとは思わなかった。

あの赤い夕日に、「あの日に連れてってくれよ」なんて頼めば、連れてってくれたりするのだろうか。

ハハ…中2病かよ、俺。