「えー、なんで流ちゃんって呼んだらダメなの?好きなのに…。」



「…ばか。」



鈍感で天然も入ってる夏実の言葉を聞き、俺は彼女の頭を軽く叩いた。



…俺に、「流ちゃんは照れるし、周りに対して恥ずかしいから止めろ」なんて説明しろと?



自分でいうのもなんだが、俺はプライド高いし、他から言わせれば「俺様」らしい。



でも夏実は、そんなの全然分かってなくて…。



つかさりげなく、「好きなのに」なんて言うなよな。



俺自身のことなのか、呼び名のことなのか、分かんなくてモヤモヤしちゃうだろ。



「好き」って単語が夏実の口から出てくるたび、密かに反応してしまう俺なんだから…尚更だよ。