小さなゴンドラに乗り込んだ俺たちは、その席に向かい合って座った。 ゴンドラは、ゆっくりと上昇していく。 …夕焼けに染まる空と街は、予想以上に綺麗だった。 そして…。 「綺麗…感動するねっ」 街を見下ろす、夕日色に染まった夏実の横顔が… …どうしようもなく、俺を見とれさせたんだ。 バカみたいに素直で、真っ直ぐで、はしゃぐ姿はまるで子供で… 小さい頃から性格は変わっていないのに、 今目の前にある彼女の横顔は、 すごく大人びていた。