惚れてます、完全に。[短編]




今日の行き先は、遊園地。



夏実のリクエストだ。



夏だったら、人混みで余計暑くなるのが嫌だから、多分却下してた。



でもまあ、今は10月だしな。



レジャー施設にちょうど良い季節だと思う。



「楽しみー、早く着かないかな!?」



電車の中で、ウキウキとした声で話す夏実。



常識が無いわけじゃないから、声のボリュームは抑えてる。



でもその表情はキラキラしてて、まるで子供だ。



「お前、高2だろ…。」



突っ込みながらも、内心俺は、夏実が心からこのデートを楽しみにしてくれていることが嬉しかった。