とにかく性格が悪そう。
「すいませんっ
娘にはよく言い聞かせておきます!」
「いや、いいよ。
その代わりと言っちゃ何だが、後でそのお嬢さんと2人っきりにさせてくれないか?」
「...娘と、ですか?」
「あぁ」
「分かりました。
私の娘でよければ」
このくそジジイ。
自分の利益のためには娘はどうなってもいいって?
あたしは跡取りだということを忘れないでほしいものね。
『それでは、そろそろパーティを終了いたします。
会場のお出口に、渡されましたブローチを立っている社員にお渡しください』
そのままずっと寺島のジジイと話していた嵐川さんの側でヤケ酒をする。
そんなあたし達にマイクを通して終わりの知らせが聞こえた。
「今日はありがとう。
思った以上に楽しめた」
「それは良かったです。
あの、それでさっきのお話ですが...」
「あぁ、少し話がしてみたくてな。
お嬢さん、俺とちょっと行かないか?」
「...行かせて頂きます」

