蜜は甘いとは限らない。【完】




「ぐっ」

「いい加減黙れ」

「だってさ、ふっ」




まだ笑うか。


さっともう一度けろうと構えればさすがに黙った。




「てらじ…拓哉」

「お前さっそく間違えんなよ。なんだ?」

「今更聞くのもなんだけどさ、あたしでいいの?」

「何が」

「…あたしなんかが相手でもいいのかって聞いてるの」




ぐっと唇を噛んで横にいる拓哉を見ればバッチリ目があった。




「良いも何も…」

「?」

「俺、お前以外の女なんて眼中にねぇし」

「っ」




何そんなことを恥ずかし気もなく…!



その言葉にまたさっきのように顔が熱くなっていく。



平然とした顔で見てくるの、止めてくれないだろうか。