蜜は甘いとは限らない。【完】




「じゃあ、ありがとうございました。
美味しかったです、ごちそうさま」





溜め息をついて店の方を向けばすっかり復活したおじいさんが、タバコを吸いながら外に出てきていた。




「おー、また来いよ。“2人”で」

「…それは分かんな「おう、また2人で来る」……ハァ、そうらしいです」

「くくっ待ってるからな!」





何、勝手なこと言ってるのかは知らないけど、いい迷惑………とは言い切れないか。


おじいさんの作った肉じゃが美味しかったし。


寺島とじゃなくてもまた自分1人でも行こう。



行く前にくたばんなよ。なんておじいさんに言ってタバコを投げつけられてる寺島を見ながら思う。




……さて、そろそろ心の準備でもするか。