蜜は甘いとは限らない。【完】





ゲホゲホと勢い良く息を吸い込んだせいで咳き込む寺島。

寺島に詰め寄られる平然としたあたし。


そんなあたしたちを見て笑うおじいさんの組み合わせは誰がどう見ても可笑しい状況だ。



あー、もう。
どんどん自分の考えていたことと別の方向に進んでいく。意味分かんない。



それが今日まで通りすぎて、したい話が切り出せない。


ギャーギャーと知らない間に始まっていた言い合い(寺島が一方的に腹を立ててるだけだけど)が始まっていて、更に気分が落ちる。




「ねぇ、そろそろこんな時間だけど、どうするの?」




残っていたビールを仰ぎながら待つけど、いつまで経っても終わらない言い合い。

最早コントにしか見えない。