蜜は甘いとは限らない。【完】





「いい?
あたしは跡継ぎだって、前にも言ったでしょ?!」

「確かに聞いた。
でもその後にお前跡継ぎ降りたいんだっつってただろ!」

「言ったけど葵が跡継ぐくらいならあたしが継ぐわよ!」

「なら俺はどうなんだよ?!」

「……・・・は?」





この男は、何が言いたい?





「俺の、俺がお前を好きな気持ちはどうすればいい?!
お前が跡を継いだら俺は…っ」

「ちょ、ちょちょちょストップ!!!」





ここでそんなこと大声で言わないでよ!


急いで寺島の口を塞げばフガフガと鼻息を荒くした。




「ぷっ、くくっ」




ゼーゼーと自分も興奮して荒くなっていた息を整えていれば、奥から笑い声が聞こえた。



くそ、見られてたか。



バッと奥の方に振り返って新聞を読む振りをして顔を隠すおじいさんを睨む。

隠れていない肩が震えてるし、笑い声もバッチリ聞こえてるし。