蜜は甘いとは限らない。【完】





「…俺はさ、」

「うん?」




何も話さないのがずっと続くのかと思えば寺島が口を開いた。


“俺は”どうしたんだろう。


首を傾げて言葉の続きを待つ。




「......てっきり、今日で会うのは最後だとか、言われるんだと思ってここに来た」

「...。」




...どうしてこう、分かってしまうのか。


あたしが寺島とただご飯を食べるという、思考には至らなかったのだろうか。

確かに、会いに来たのはそのためでもあるのだけど、




「...そういうわけじゃないわよ」

「それなら、いいんだけどな」




今、ここでは言わない。絶対。




「そんなことより、アンタ葵が何かしようとしてたこと知ってたでしょ」

「......な、んのことだか」

「その間はなんだ」




...知ってて葵のこと、止めなかったのか。




「なんのために、あんたのとこに預けてるのよ」

「...だってお前が、」

「なに?」

「お前が跡継ぐのは嫌だったんだよ!」

「子供か!!」