だからと言って手を離すために袖を引っ張ることも出来ないから、その場所から動けない。




「っ、」




そのまま動かずにいれば、寝返りをうつ舞弥に思いっきり袖を引っ張られ、バランスを崩す。



(っぶね)




崩れて倒れる自分の体が舞弥の上に倒れそうになるけど、急いで横に手を付いてバランスを整える。




なんとか寸止めで倒れなかった体に思わず溜息をつく。

危な、かった。




「…寝相、悪すぎ」




布団に潜っていたせいで赤らんだ頬を撫でてやればくすぐったそうに微笑む。



……眠い。



微笑んだ舞弥を見ていると、さっきまでの眠気がまた戻ってきた。



(もういっか)



部屋に戻るの面倒くさくなった俺は横に寝転び数秒で眠りについた。