蜜は甘いとは限らない。【完】





風呂場に着いたあたしはさっさと服を脱いで中に入り、化粧を落とす。





…昨日落とさなかったから絶対肌がヤバい。


今日はパックしなきゃ、か。





化粧を落とし終えたあたしは髪、体と洗って湯舟に浸かる。





「はぁ……」






やっと落ち着ける場所に、ホッとため息を着くと体の中の力が抜けた。




なんか、やっと落ち着けたな。あたし。




気を張っていないとじっとその場に立っていられないパーティ。


ただでさえ居づらいのにあたしを見張るあの人の目に、更に気を張っていないと膝から崩れていきそうになる。




「あんなのじゃ、だめだなぁ…」




少し深めに浸かって口を湯舟に当てると、空気を吐き出す。




ブクブクと暴れる泡を見て何も考えないように、頑張って頭を整理する。





「あら、そんなことしたら汚くなるじゃない。
お湯が」