ていうか、その口の悪い女のことを好きだと言ったのは誰よ。




イライラしながら寺島の顔を睨み上げると驚いた顔をつくってニヤリと笑った。




…またいつもの調子が戻ってきてる。




これ以上睨んでいてもキリがないから、視線を下げる。

睨み続けていても、寺島の思い通りにしか進まないから。




「おい、何処行くんだよ」

「は?寝るのよ。
今更家になんて帰れないし」





諦めて襖に手を掛ければ直ぐ後ろから不機嫌そうな声。

自己中過ぎる。





「それに、早く着替えたいのよ。
ドレスは疲れるの」

「…。」

「それとも何?
ここに泊まるなってこと?」

「違う。
帰るのかと思っただけだ」





そう言って目を横に流す寺島に寒気がする。



なんでそこで照れる?

大の大人が照れても、しかも寺島か照れてもキモいだけなんだけど。





コロコロと変わる寺島の態度に疲れが溜まる。