蜜は甘いとは限らない。【完】




チッ



また、変な誤解を生んだだろうか。

だんだん話をするのが面倒になる。




歩き慣れた道を寺島のジジイと歩き、着いた。

寺島の部屋に。




「入るぞ」




一言だけ言った寺島のジジイは返事を待たずに襖を開ける。




「…何の用だよ、クソ親父」

「少し、聞きたいことがある」





襖を開けた先には、背中で見えないけど寛いでいただろう寺島。





「話…?
ていうか、後ろの奴誰だよ」

「あ?なんだ、その口のきき方。
…まぁいい。

出てきていいぞ」





似たような性格の人同士、会話が喧嘩腰で話しかけるのをよく聞くけど、始めっから喧嘩腰。

この親子には吃驚よ。




…なんて、思っても無いことを心の中で呟きながら前に出る。