資料の文字全部に目を通し終えたあたしは、再びさっきのようにパソコンに向き直る。 今度は資料を一度も見ずに、ひたすら手を動かし紙に書いてある通りの文字を打ち込んでいく。 「なんだ、結局全部暗記してるのか」 「...ちょっと、静かにしてもらえますか郷下先輩。 集中してるので」 「へいへい」 先輩が相手なのに、集中しているあたしは適当にあしらう。 ま、郷下先輩なら許してくれるだろう。 ...ここまで言えば、っていうかもう先輩が言ったけどあたしの唯一の取り柄が分かったかな。