「保険だとしても、俺は心配なんだ。」と言うと私に近付いてぎゅっと私を抱き締めた。

「胸騒ぎ、昨日より強くなってるんだ。…出来るだけで良いから側に居てくれ…」弱々しい颯斗は初めて見て私は颯斗の背中に手を回して優しくトン、トン、と叩いて

「大丈夫だよ?…こんなに颯斗の事愛してるんだもん。離れたりしないよ。」そう言って抱き締め合っていた。

私のスマホ、颯斗のスマホが鳴り、颯斗は若干機嫌悪そうに、私は不思議だけど通話にした

『雪奏?後5分だよ?…早く戻って来て!』と電話の相手、澪だった。

「えっ!?ごめんね。すぐ行く!」と言って切ると颯斗もどうやら同じ内容だったらしく

「行くか。」と機嫌を悪そうに言った。

颯斗の心の内は
【行事だから仕方ないけど、雪奏とのスキンシップを邪魔された】

【胸騒ぎ、外れてくれ。】この二点だった。

ー講堂ー

「会長と副会長が油売ってどうするの!!」とさくら先輩に言われた。(この二人を叱れるのは生徒ではさくら先輩だけだから。)

「時間よ?」と吹奏楽部の顧問の先生に言われて持ち場に就いた。