ーside颯斗ー

雪奏の話しを聞いて俺は怒ってたけど、悲しくなった。

「なぁ、なんで俺に頼ってくれないんだ?…雪奏が俺やさくらたちを傷つけられたくないって事は分かる。でも、そのせいで雪奏自身が傷ついてないか?」と言うけど

「私はここの次期当主[時雨]なんだよ!?私が傷つく事を恐れたら誰も守れない!!」くるっと振り返り俺に言った。

「じゃあ時宮雪奏自身は?…傷つけられても良いと?雪奏が傷つけられて悲しむ人を忘れてないか?」

「ッ!!それは…」雪奏は言葉に詰まる。

「少なくとも俺は悲しい。…そして冬哉さん、鈴美さんも。…ですよね?」振り返りながら言うと入り口に冬哉さんと鈴美さんがいる。…二人の纏う空気で居ることは分かっていた。

「雪奏。祖父さんの時とは違う。《宮》家同士の連携が取れてるし、俺や生徒会メンバー、そして颯斗くんが居るだろう?祖父さんは一人で戦ってたけど、皆が居る。生徒会メンバーも上級を練習していて颯斗くんは後少しで修得するんだろ?…それに焦っていたら出来る技も出来なくなるぞ?…雪奏は全部抱え込み過ぎるんだ」と冬哉さんは言った。

「わたしたちじゃなくても良いから一番安心できる人に自分の不安を伝える事も大切な事よ?」と鈴美さんが言った。