そんなあたしの気持ちを知るはずもない空は、ある日あたしの家で
「一緒にK高校行こうな」
と、鼻の頭を掻きながら言った。
K高校はあたしの志望校だったし、そう言ってくれて嬉しかった。

今は、この気持ちを大切にしていよう。

そう心に決めた。
そうだ。
空があたしに優しくて、それであたしは嬉しくて。
今は、それだけでいいじゃない。

あんまり沢山の事を望み過ぎたら、きっと…罰が当たっちゃうよ。

考えても答えは出てこないんだし、今ここにある本当の事を信じていれば、いいじゃない。

空が誰と付き合おうと、空の自由。
当たり前ながら、あたしが嫌だからって、邪魔していい訳も無いし。

だから。

有りのままを、受け止めなくちゃ。

あたしは今、幸せなんだから…
我が儘言っちゃ、駄目だよね。